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公益法人専門の税理士 いずみ会計事務所・税理士浦田泉

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寄付金を受けた場合の税制上の取り扱い

【質問】
個人の方から寄付金を受け取った場合の取り扱いを教えてください。

【回答】
公益法人、非営利型法人に該当する一般法人、非営利型法人に該当しない一般法人、それぞれで取り扱いが異なります。

法人が財産の寄付を受けた場合、その法人の形態により税制上の取り扱いが異なります。

 

(1)公益法人(公益社団法人、公益財団法人)の場合
公益法人が寄付を受けた場合、寄付金の収入は法人税の課税対象となりません。
また、公益法人に寄付をした個人についても、所得控除(税額控除対象の公益法人への寄付をした場合には、所得控除か税額控除のいずれかを選択可能)が受けられる優遇措置があります。
すべての公益法人が税額控除対象の公益法人ではありませんので、税額控除を受けたい個人の方はご注意ください。

(2)非営利型法人に該当する一般法人の場合
非営利型法人に該当する一般法人の場合、寄付金の収入は法人税の課税対象とはなりません。
ただし、寄付者に対する税制上の優遇措置はありません。(この点は公益法人への寄付と取り扱いが異なります)

(3)非営利型法人に該当しない一般法人の場合
非営利型法人以外の一般法人の場合、法人のすべての所得が法人税の課税対象となります。したがって、寄付金の収入も法人税課税の対象となります。
寄付者に対する税制上の優遇措置もありません。

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収支相償解消が満たせない場合―第一段階と第二段階

【質問】
公益社団法人です。今期行なっている事業について、予想以上の収益が上がって費用を上回ることが確実となり、収支相償を満たせそうにありません。
どうしたらよいでしょうか?


【回答】
収支相償は、第一段階として公益活動の各事業単位で収支を確認します。第二段階として、法人の公益活動に属する収支も加味し、法人の公益活動全体の収支で考えます。

公益法人(公益社団法人、公益財団法人)はその公益目的事業を行うに当たり、原則として当該公益目的事業の実施に要する適正な費用を償う額を超える収入を得てはいけない、とされています。これを「収支相償」といいます。
収支相償の計算においては、公益目的事業に係る収入と公益目的事業に要する費用を比較し、原則として各事業年度において収支が均衡することが求められます。(なお、収益より費用のほうが大きい状態ならば収支相償を満たしている、と考えます)

しかし、ある事業年度において、収入が費用を上回ってしまうことはありえることですし、実際にそういうケースは少なくありません。

こうした場合、収支相償は二段階で判断されます。
第一段階として、各事業単位で収支を確認します。この段階で収入が費用を上回る場合は、その額はその事業の発展や受益者の範囲の拡充に当てられるべきものであり、当該事業に係る特定費用準備資金として計画的に積み立てることによって収支相償の基準を満たすものとなります。

第二段階として、第一段階の収支相償を満たす各公益目的事業に加え、必ずしも特定の事業に係る収支には含まれないものの、法人の公益活動に属する収支も加味し、法人の公益活動全体の収支で考えることになります。

その際、収益事業等からの利益の50%超を公益目的事業財産に繰り入れる場合には、仮に収入が費用を上回っている場合であっても、特定費用準備資金への積立等を加えた公益目的事業に関する全ての資金収支で不足が生じる場合には、剰余金が生じることはありません。

第二段階において収益事業等の利益の50%超を公益目的事業財産に繰り入れる場合、収入が費用を上回る場合には、その額は公益活動全体の拡大・発展に充てられるべきものと考えられますので、公益目的事業に係る特定費用準備資金として計画的に積み立てます。
ここでも剰余金が生じる場合は、公益目的保有財産となる実物資産の取得又は改良に充てるための資金(資産取得資金)への積立を行なうか、当期の公益目的保有財産の取得に充てれば、収支相償の基準を満たすものとして取り扱います。

なお、遊休財産額の保有の制限との関係では、収入が費用を上回った場合でも、上回る額を公益目的保有財産の取得、特定費用準備資金や資産取得資金への積立のように使途が決まった控除対象財産として整理している限りは遊休財産には該当しません。

こうした「資金を他の資産に変える」方法に加えて、事業の拡大などによる剰余金の具体的な処理計画を示すことで、収支相償を満たすケースもあります。
この場合、翌事業年度に事業の拡大等により、同額程度の損失となるように、剰余金の処理方法を具体的に説明することになります。

公益法人の「収支相償」とは、公益法人が利益を内部にためずに、公益目的事業に充てるべき財源を最大限活用して、無償・低廉で利用しやすい価格でサービスを提供し、受益者を広げようとするもので、公益法人が受けている税制優遇の重要な基礎となるものですので、きちんと要件を満たすよう、早めに計画し、きちんと実施することが大切になります。

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収支相償解消が満たせない場合―概要

【質問】
公益社団法人です。今期行なっている事業について、予想以上の収益が上がって費用を上回ることが確実となり、収支相償を満たせそうにありません。
どうしたらよいでしょうか?

 

収支相償解消が満たせない場合―概要

【回答】
ある事業年度において収入が費用を上回る場合でも、公益目的事業拡充等にあてるための特定費用準備資金として計画的に積み立てること等で中長期的に収支が均衡することが確認されれば、収支相償の基準は満たすものと考えられます。

公益法人の「収支相償」とは、公益法人が利益を内部にためずに、公益目的事業に充てるべき財源を最大限活用して、無償・格安でサービスを提供し、受益者を広げようとするもので、公益法人が受けている税制優遇の重要な基礎となるものです。

もう少しわかりやすく言うと、公益法人はその公益目的事業を行うに当たり、当該公益目的事業の実施に要する適正な費用を償う額を超える収入を得てはいけない、ということです。
そのため、収支相償の計算においては、公益目的事業に係る収入と公益目的事業に要する費用を比較します。
その際、原則として各事業年度において収支が均衡することが求められます。(なお、収益より費用のほうが大きい状態ならば収支相償を満たしている、と考えます)

しかし、ある事業年度において、収入が費用を上回る場合であっても、公益目的事業拡充等にあてるための特定費用準備資金として計画的に積み立てること等で中長期的には収支が均衡することが確認されれば、収支相償の基準は満たすものとされます。

収支相償は二段階で判断されます。
第一段階として、各事業単位で収支を確認し、この段階で収入が費用を上回る場合は、その額はその事業の発展や受益者の範囲の拡充に当てられるべきものであり、当該事業に係る特定費用準備資金として計画的に積み立てることによって収支相償の基準を満たすものとなります。
この剰余金は当該事業で用いるべきものですから、翌事業年度の収支相償の計算では、前事業年度の剰余金の額を当該事業にかかる収入の額に加算しなければなりません。

事業にかかる特定費用準備資金を積み立てた上でも、想定外の事情により余剰金が生まれるような場合、その余剰金が偶発的なものであり、当該事業を通じて短期的に解消される見込みであれば収支相償を満たすものとして弾力的に取り扱うこともありえます。
その際、剰余金が生じた理由、それが短期的に解消する具体的な計画について説明することが必要となります。

第二段階については、別の機会のお話いたします。

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一部事業を他法人に譲渡する際の手続き

【質問】
公益法人ですが、公益目的事業費率確保のため、当法人の施設内の売店事業を他の法人に譲渡することを考えています。どのような手続きが必要でしょうか?

【回答】
相手方との事業譲渡契約の締結するほか、売店事業の譲渡が重要な財産の処分や重要な組織の廃止等に当たる場合、理事会決議が必要になります。事業譲渡に先立って行政庁の認定を受ける必要があります。

公益目的事業費率確保のため、一部事業を譲渡するケースは、たまにあります。
まず、一部事業を譲渡する法人(譲渡法人)と事業を譲り受ける法人(譲受法人)との間で事業譲渡契約を締結することが必要です。
実務上は、事業譲渡契約の締結前に、守秘義務契約や覚書を交わし、デューデリジェンス(投資を行うにあたって、投資対象となる企業や投資先の価値やリスクなどを調査すること)を行なうことが多いかと思います。

法人の一部事業を譲渡する場合について、法人法には明文規定がありません。しかし、事業譲渡には財産の譲渡が含まれることが通常ですので、事業譲渡に伴い重要な財産を「処分」(その財産を「賃貸」する場合も「処分」となります)する場合は、その財産の譲渡について、理事会で決議することが必要になります。
また、売店事業運営のために事業部が設けられていた場合は、その事業部の廃止は「重要な組織の廃止」として理事会決議が必要となる場合があります。

なお、譲受法人が公益法人等(公益法人、一般法人)である場合、譲受法人にとって重要な財産の譲受けがある場合は、譲受法人において理事会決議が必要となります。

また、譲渡法人、譲受法人が公益法人の場合、事業譲渡により収益事業の内容が変わることになるため、事業譲渡に先立って行政庁の認定を受ける必要があります。
譲渡法人が公益法人で、この認定の申請をする場合は、事業の全部又は一部を譲渡しようとするときに必要とされる行政庁へのあらかじめの届出は必要ありません。

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理事等の補欠がある?!

【質問】
当法人の理事の一人が体調を崩しており、任期中にいつ退任してもおかしくないという状況です。急な退任に備えて、何かできることはありますか?

 

理事等の補欠がある?!

【回答】
理事及び監事、評議員については、任期の満了前に退任した者の補欠をあらかじめ選任しておくことができます。

ご相談の方のようなケースは公益法人、一般法人ともに、運営上たまにある話です。
法人運営をスムーズに行なうために理事、監事、評議員については、任期満了前に退任した者の補欠をあらかじめ選任しておくことができます。

理事及び監事についての補欠の選任決議が効力を有する期間は、当該決議後最初に開催する定時社員総会(定時評議員会)の開始のときまで、というのが原則です。
ただし、定款に定めることにより伸長することも可能ですし、社員総会や評議員会の決議によって選任決議が効力を有する期間を短縮することもできます。

なお、評議員についての補欠の選任決議が効力を有する期間については、原則として、定款上、評議員の選任の方法として、補欠の選任決議の効力期間をどのように定めたかによる、とされています。

また、補欠である以上、被補欠者である在任理事、監事、評議員の任期が満了するときをこえて選任決議の効力を伸長させることはできないとされています。

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使途に制約のある寄附金、管理費に充当できる?

【質問】
当法人で行なっているある事業(公益目的事業に該当します)のための寄附金を受けました。
この事業を行うためには、事業費だけでなく、相当額の管理費もかかっているのですが、当該寄附金をその管理費に充当しても問題ないでしょうか?

【回答】
寄附の際に事業の指定のみなされた寄附金で、事業費、管理費の割合の特定がない場合は、全て当該事業費に使い、原則として管理費には充当できません。

「この事業のために使ってほしい」という寄付者の指定があった場合には、全てをその事業に充当し、管理費に充当することは原則としてできません。

ただし、寄附額のうち一定割合を管理費に充当することについて寄付者の了承を得ることができれば、当該一定割合の寄附金を管理費に充当することができます。

具体的に言うと、たとえば寄附申込書や寄附金受領書などで、寄附額のうち一定割合を管理費に充当することについて了承していることが立証されているような場合については、その割合を管理費に充当することができます。

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株式会社の事業を譲り受けることは可能か?

【質問】
現在、株式会社で行なっている事業(検定事業)を、公益法人等が譲り受けることは可能でしょうか?

株式会社の事業を譲り受けることは可能か?

【回答】

一般法人(一般社団法人、一般財団法人)、公益法人(公益社団法人、公益財団法人)が、他の法人から事業を譲り受けることは可能です。
ただし、そのプロセスは、事業や財産の内容、譲受法人の形によって多少異なります。

一般法人(一般社団法人、一般財団法人)、公益法人(公益社団法人、公益財団法人)が、他の法人から事業を譲り受けることは可能です。この場合の「他の法人」の中には、株式会社も含まれます。

(1)一般法人が事業を譲り受ける場合

事業の譲り受けについて、譲受法人の手続きについて定めた法人法の規定はありません。しかし、事業の譲り受けは重要な財産の譲り受けとなる可能性があります。
「重要」な財産といえるかどうかは、その財産の価額と法人の総資産に占める割合、保有目的、処分行為の態様、従来の取扱などの事情を総合的に判断します。

重要な財産の譲り受けに該当する場合には、重要な財産の譲り受けに関する理事会決議が必要となります。その事業を行うための重要な組織を設置する場合も、理事会で決議します。

また、譲受法人の定款にない事業を譲り受ける場合は、定款の変更をするため、社員総会(評議員会)の特例決議も必要となります。

(2)公益法人が事業を譲り受ける場合

譲受法人が公益法人の場合、(1)の手続きに加えて、行政庁による変更の認定について検討する必要があります。

譲り受ける事業が公益目的事業に該当する場合で、公益目的事業を行う都道府県の区域の変更、主たる事務所又は従たる事務所の所在地の変更(新設・廃止含む)、公益目的事業の種類又は内容の変更を伴う場合には、あらかじめ行政庁に認定の申請をしなければなりません。
譲り受ける事業が収益事業等の場合も、その内容に変更があれば同様に認定の申請が必要となります。

ただし、公益目的事業又は収益事業等の内容の変更であっても、公益認定を受けた申請書の記載事項の変更を伴わない場合は「軽微な変更」として、事後に行政庁へ届出を行なえば、変更の認定の申請は不要です。

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定時社員総会でインターネットの議決権行使をする場合

【質問】

社団法人(公益社団法人、一般社団法人)で定時社員総会で社員にインターネットでの議決権行使を認めたいと思っていますが、どのような準備が必要になりますか?
定時社員総会でインターネットの議決権行使をする場合

【回答】

理事会決議(又は理事の協議)による合意を経た後、インターネットによる議決権行使ができる旨を記載した招集通知を社員総会参考資料とともに、書面等で送付します。

一口に「インターネットによる議決権行使をする」といっても、いろいろなパターンが考えられます。
よくあるケースが、議決権行使画面をウェブサイトに掲載し、アクセスしてもらって議決権を行使する方法や電子メールで議決権を行使する方法などが考えられます。

このような、インターネットによる議決権行使のための準備として、次のようなことが必要となります。

(1)理事会の決議

社員総会に出席することができない社員が電磁的方法によって議決権を行使することができる旨を、社員総会の招集を決定する理事会決議(理事会がおかれていない社団法人については理事の協議)によって決定することが、第一の条件です。

(2)召集通知への記載

社員総会の日の2週間前までに召集通知(と社員総会参考資料)を発します。この通知に、電磁的方法による議決権行使ができる旨を記載します。
議決権行使画面をウェブサイトに掲載している法人の場合、召集通知を送る際に、その議決権行使を行なうウェブサイトのアドレス、アクセスに必要なID、パスワード等を送付することが多いようです。
なお、召集通知は書面により行なうものとされていますが、社員の承諾を得て一定の要件の下で電磁的方法(電子メール等)によることも可能です。

こうした準備を行なったうえで、社員総会の日時の直前の業務時間の終了時までに、議決権行使書面に記載すべき事項を電磁的方法により社員から法人に提出してもらいます。
ただし、社員総会の直前まで受け付けていると実務的に間に合わないこともあります。
その場合は、議決権行使の期限について、社員総会の招集を決定する理事会決議等によって定めることとなり、召集通知を発した日から2週間を経過した日以後の特定の日とすることもできます。

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消費税の免税事業者には大きなインパクト!-「インボイス制度」とは

【ポイント】
2023年10月1日から「適格請求書等保存方式」(いわゆる「インボイス制度」)が導入されます。インボイス制度の下では、税務署長に申請して登録を受けた課税事業者である「適格請求書発行事業者」が交付する「適格請求書」等の保存が、仕入税額控除の要件となります。

インボイス制度

2019年10月1日から2023年9月30日までの間の仕入税額控除の方式は、区分記載請求書等保存方式となりますが、2023年10月1日から、複数税率に対応した消費税の仕入税額控除の方式として適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)が導入されます。

まだまだ先の話のように思えますが、実はとてもインパクトの大きい改正です。
特に、消費税の免税事業者である規模の小さな法人にとっては、税務的にどのように舵取りをするか、判断が迫られるような改正ですので、ここでご説明いたします。

インボイス制度の下では、税務署長に申請して登録を受けた課税事業者である「適格請求書発行事業者」が交付する「適格請求書」等の保存が、仕入税額控除の要件となります。
つまり、「適格請求書」等がない場合は、仕入税額控除ができなくなる、ということになります。(ただし一定の経過措置があります)

適格請求書とは、売り手が、買い手に対して正確な適用税率や消費税等を伝えるための手段であり、一定の事項が記載された請求書等をいいます。

ここで注意すべきなのは、適格請求書を発行できるのは、適格請求書発行事業者に限られる、という点です。
適格請求書発行事業者になるためには、「適格請求書発行事業者の登録申請書」(登録申請書)を提出し、登録を受ける必要があります。
この登録は、課税事業者でなければ受けることはできません。
そのため、免税事業者にとってはかなり大きな影響のある改正ポイントなのです。

免税事業者の場合、法人が行なっている事業や取引の内容によって、様々な税務的判断が考えられますので、早い段階でこの制度のアウトラインを理解し、対策を考えておくことをオススメいたします。

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消費税の軽減税率導入、公益法人や一般法人にも影響あり!〜区分記載請求書等〜

【ポイント】

2019年10月1日から2023年9月30日まで、消費税の軽減税率導入に伴って、消費税の仕入税額控除のためには、区分経理に必要な事項を記載した帳簿及び区分経理記載請求書等の保存が必要となります。消費税の免税事業者である小規模法人にも影響があるので要注意です。

消費税の軽減税率導入、公益法人や一般法人にも影響あり!〜区分記載請求書等〜

2019年10月1日から、消費税率が原則として10%に引き上げられると同時に、食品等の一部品目については軽減税率が導入されることになりました。
一般法人はもとより、公益法人にも消費税の納税義務がありますので、これは公益法人等にとって大きな改正ポイントとなります。

「うちの法人は、食品を取り扱っていないから関係ない」というのも誤解です。
例えば、会議用にコンビニなどでお茶菓子を購入した場合など、このお茶菓子は軽減税率の対象となる可能性が高く、仕入税額控除の計算に影響を及ぼすからです。

2019年10月1日から2023年9月30日まで、消費税の課税事業者は、仕入税額控除のため、区分経理に必要な事項を記載した帳簿及び区分経理記載請求書等の保存が必要となります。

現行制度において、帳簿への記載事項は、課税仕入れの相手方の氏名又は名称・取引年月日・取引の内容・対価の額を記載することとなっていますが、2019年10月からはこれに加えて「軽減税率の対象品目である旨」も記載する必要があります。

会計ソフトをお使いの法人の皆様は、軽減税率に対応するためのソフトウエアのバージョンアップが順次、行われているところかと思いますので、軽減税率開始前までに対応しておくことをオススメいたします。

また、現行制度では、請求書の記載事項として、請求書発行者の氏名または名称・取引年月日・取引の内容・対価の額・請求書受領者の氏名又は名称の記載が求められていますが、区分記載請求書等ではこれらに加え、①軽減税率の対象品目である旨・②税率ごとに合計した税込対価の額の記載も必要となります。

実は①、②は請求書の交付を受けた事業者があとで追記をしても構わない、とされていますが、取引先から区分記載請求書等の形式に基づいた請求書等の発行を求められる可能性は十分にあります。
たとえ、消費税の免税事業者である小規模な法人であっても、区分記載請求書には対応できるように準備を進めておくと良いでしょう。

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公益法人会計基準とNPO法人会計基準の違いは?

【質問】
一般社団法人を設立しようと思っているものです。
一般社団法人の場合、公益法人会計基準やNPO法人会計基準などによることがオススメといわれましたが、2つの基準の特徴を教えてください。

公益法人会計基準とNPO法人会計基準の違いは?

【回答】

公益法人会計基準では「指定正味財産」と「一般正味財産」に分けることなどの特徴があります。一方、NPO法人会計基準では、サービスの寄付も会計に記載できることや、使途が制約された寄付金等については原則として注記する、などの特徴があります。

公益法人会計基準は過去に4回、公表されており、一番新しいものは一般的に「平成20年基準」といわれています。(以下、平成20年基準を公益法人会計基準としてお話しします。)

公益法人会計基準の特徴は、次の通りです。

(1)貸借対照表の正味財産の部が、使途に拘束性のある「指定正味財産」と拘束性のない「一般正味財産」に分かれる。

(2)貸借対照表の固定資産が「基本財産」「特定資産」「その他固定資産」に分かれる。

(3)正味財産増減計算書を、指定正味財産の増減状況を原因別に表す「指定正味財産増減の部」と、一般正味財産の増減状況を原因別に表す「一般正味財産増減の部」に分ける。

(4)貸借対照表、正味財産増減計算書を「公益目的事業会計」「収益事業等会計」「法人会計」に区分した内訳表を作成する。(ただし、一定の場合には省略可能)

実務的には、「指定正味財産」と「一般正味財産」の区分は、十分な会計スキルのある担当者がいないと難しいところがあります。

一方、NPO法人会計基準は、NPO法人会計基準協議会を中心として民間主導で策定され、内閣府で「現段階においてNPO法人の望ましい会計基準であると考える」と結論付けられたものです。
NPO法人会計基準の特徴は、次の通りです。

(1)経常収益を「受取会費」「受取寄附金」「受取助成金等」「事業収益」「その他収益」の5つに分類する。(「正会員受取会費」「賛助会員受取会費」などを伸したに明細を記載することは任意。)
(2)経常費用は「事業費」と「管理費」に分けた上でそれぞれ「人件費」と「その他経費」に分類。

(3)事業ごとの明細は「財務諸表の注記」で記載できる。事業ごとの明細は、費用だけを記載する「事業費の内訳」を記載する方法と収益も含めて記載する「事業別損益の状況」を記載する方法があり、事業ごとの明細を表示しない方法を含めてどの方法を採用するかは法人の任意。

(4)事務所の無償提供や、ボランティアの提供を受けた場合など、サービスの寄付を受けた場合も会計に記載できる。

(5)使途が制約された寄付金等については、原則として注記方式とする。(重要性が高いものについては、公益法人会計基準と同様に、「一般正味財産増減の部」と「指定正味財産増減の部」に分ける方法を採用する)

また、NPO法人会計基準は、市民にとってわかりやすいこと、社会の信頼にこたえることを重視している会計基準、という点も特徴の一つです。

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一般法人が採用すべき会計基準は?

【質問】
一般社団法人を設立しようと思っているものです。
一般社団法人の場合、どのような会計基準を採用すればよいのでしょうか?

一般法人が採用すべき会計基準は?

【回答】

一般法人法に基づき、登記により新規設立された一般法人は、法人の活動状況や今後の目標などにあわせて、公益法人会計基準やNPO法人会計基準などによることをオススメいたします。
法人法上、一般法人(一般社団法人、一般財団法人)の会計は「一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うものとする」と規定されています。逆に言うと、「この会計基準を採用しなければならない」という決まりはありません。
とはいうものの、その法人にとって「最善の会計基準」はありますので少しご紹介いたします。

まず、公益法人(公益社団法人、公益財団法人)を目指している一般法人の場合、今後の公益認定の申請を見越して、公益法人会計基準を選択するのがベストです。
公益法人会計基準は、公益認定の要件となる「財務の内容が公益法人としてふさわしいものであること」(収支相償・公益目的事業費率・遊休財産規制の、いわゆる「財務三基準」)を満たしているかについての判断をするために適切な会計基準、とされており、公益法人には公益法人会計基準の採用が義務付けられています。

一方、公益認定の申請を予定していない一般法人の場合、「利潤の獲得と分配を目的としない非営利法人」であることを踏まえると、企業会計基準を採用するよりは公益法人会計基準の採用が優先、といわれています。
しかし、公益法人会計基準は、ある程度の規模の法人を想定して策定されているのでは?と思われる点があり、中小規模の法人の細かい会計上のニーズには答えていない部分も見受けられます。
そのため、中小規模の一般法人で、できるだけ簡便な方法でより詳しい情報を掲載することを望む場合は、同じく非営利法人の会計基準であるNPO法人会計基準を採用しても問題ありません。

一般法人の場合、どのような会計基準でも採用できるため、「会計ソフトが豊富な企業会計基準でいいか」と安易に選択する方もいらっしゃいますが、会計基準は法人の活動状況や今後の目標等にあわせて、慎重に選ぶことをオススメいたします。
どのようにすべきか、困っている方はぜひ税理士等の専門家にご相談ください。

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