公益法人等に対する法人税課税の優遇措置―みなし寄附金
【ポイント】
公益法人においては、法人税法上の収益事業の所得の公益目的事業への繰入れを寄附金とみなして、その金額の一部について損金算入が認められます。
公益法人において、法人税法上の収益事業に属する資産からその収益事業以外の認定法上の公益目的事業への支出を「みなし寄附金」といいます。
この「みなし寄附金」の一部の金額について、損金算入が認められています。
公益法人は、収支相償基準を満たすことによって生じる公益目的事業の資金不足に対して、収益事業等からの繰入れによる支援が想定されているため、みなし寄附金の範囲が収益事業から公益目的事業への支出のみと狭く限定されたかわりに損金算入限度額が拡大されています。
公益法人におけるみなし寄附金の損金算入限度額は、次の(1)と(2)のいずれか多い金額となります。
(1)収益事業の所得の金額の50%相当額
(2)公益法人特別限度額(※)
(※)公益目的事業の実施のために必要な金額(公益目的事業実施必要額)と実際に収益事業に属する資産のうちから公益目的事業のために支出した金額のいずれか少ない額
このうち(1)は、認定法上、公益法人の収益事業等から生じた収益の50%相当額は公益目的事業財産に繰り入れなければならないため、税務上も当該50%相当額の損金算入を認めたものと考えられます。
他方、(2)は、認定基準の一つである収支相償を満たすと生じる公益目的事業の資金不足を補うために、法人が収益事業に属する資産のうちから公益目的事業のために繰り入れたものと考えられることから、法人税法上、損金算入を認めたものと考えられます。
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