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「資本金1億円」、公益法人等ではどう考えるの?

【質問】

交際費について、資本金が1億円以下の法人は年800万円までは法人税の損金にすることができるけれど、規模の大きな法人は飲食接待費の50%までしか損金にできない、とききました。
当法人は一般社団法人で、そもそも資本金という概念がありません。一般社団法人はどのような基準で考えればよいのでしょうか?

【回答】

公益法人等(公益社団法人、公益財団法人、一般社団法人、一般財団法人)については、一定の算式により計算した金額を期末資本金等に準ずる金額として、交際費等の損金不算入額を計算することとしています。

法人税法では、法人の規模によって税務上の取り扱いが異なるものがたくさんあります。
ご相談の飲食接待費等に関する損金不算入額の計算(一般的に「交際費等の損金不算入額の計算」といいます)はその代表例で、一般的に期末の資本金が1億円を超えるかどうかによって取り扱いが異なります。

交際費等の損金不算入額の計算とは、ざっくり言うと、期末の資本金が1億円以下の法人の場合、年間800万円以下の一定の交際費等については損金算入OK、というものです。(期末の資本金が1億円超の法人は、一定の飲食接待費のうち、50%までが損金算入OK、となります)

しかし、公益法人等の場合、そもそも資本金という概念がありません。
この場合、次の算式により計算した金額を期末資本金等に準ずる金額として、交際費等の損金不算入額の計算をすることとなります。

<算式>
正味財産額(※)×0.6×(期末時の収益事業に係る総資産/期末総資産)

(※)正味財産額=(期末時の貸借対照表上の総資産の帳簿価額-期末時の貸借対照表上の総負債の帳簿価額)-当期の利益の額+当期の欠損金の額

なお、資本金が1億円を超えるかどうかによって取り扱いが異なることの例の一つとして、法人税率が上げられます。
この場合は、全ての公益法人等について、資本金が1億円以下の法人と同じ扱いとなります。

よくある説明では「資本金1億円」が分岐点、というようなことが説明されていますが、公益法人等の場合は公益法人特有の税法の適用があるため、その情報が公益法人向けのものかどうか、きちんと確かめることも重要です!

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