遺言で一般財団法人を設立したい
【質問】
最近流行の「終活」(人生の終わりをより良いものとするために事前に準備すること。例えばお葬式やお墓についてや相続などについて計画を立てる)に関するセミナーに参加し、遺言について学びました。
私は以前から社会貢献活動に強い関心を持っており、遺言には私の遺志として一般財団法人を設立することを記載したいと思っています。
私の死後、遺言によって一般財団法人を設立することは可能でしょうか?
【回答】
遺言によって、一般財団法人を設立することは可能です。
平成20年12月1日から施行された「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」は、法人格の取得と公益性の判断を分離するという基本方針の下、営利(剰余金の分配)を目的としない社団と財団について、法人が行う事業の公益性の有無にかかわらず、登記のみによって簡便に法人格を取得することができる法人制度です。
一般財団法人は設立者が300万円以上の財産を拠出することにより設立できます。
もちろん、遺言によっても一般財団法人を設立することは可能です。
その場合、遺言には一般財団法人を設立する意思を表示し、定款に記載すべき内容を遺言で定めなければなりません。
なお、遺言の内容の実現(遺言の執行)は遺言執行者が行います。
遺言執行者は、遺言に基づいて遅滞なく定款を作成して公証人の認証を受け、財団法人成立までに必要な事務を行い、代表理事が、財団法人の設立登記の申請を行います。
その際の手続の流れは次の通りです。
(1) 設立者が遺言で一般財団法人を設立する意思を表示し、定款に記載すべき内容を遺言で定める。
(2) 遺言執行者が遺言の内容の実現(遺言の執行)を行い、遺言に基づいて遅滞なく定款を作成して公証人の認証を受ける。
(3) 遺言執行者が財産(価額300万円以上)の拠出の履行を行う。
(4) 定款で設立時評議員、設立時理事、設立時監事(設立時会計監査人を置く場合は、この者も含みます。)を定めなかったときは、定款の定めに従い、これらの者の選任を行う。
(5) 設立時理事及び設立時監事が設立手続の調査を行う。
(6) 設立時理事が法人を代表すべき者(設立時代表理事)を選定し、設立時代表理事が法定の期限内に主たる事務所の所在地を管轄する法務局に設立の登記の申請を行う。
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