fbpx
  1. HOME
  2. ブログ
  3. 公益法人等が元国家公務員を採用する際のポイント

公益法人等が元国家公務員を採用する際のポイント

公益法人等が元国家公務員を採用する際のポイント

国家公務員の再就職等規制

国家公務員の再就職については、公務の公正性に対する国民の信頼を確保するために、3つの規制が設けられています。

国民からの批判が大きい問題として、いわゆる「天下り問題」があります。
国家公務員が退職したのち、公益法人等(公益法人・一般法人)に再就職することは禁じられていませんが、国家公務員法では、公務の公正性に対する国民からの信頼を確保するため、次の3つのルールを設けています。このルールが、いわゆる「国家公務員の再就職等規制(再就職規定)」と言われています。

(1)あっせん規制

再就職の依頼・情報提供等に関する規制です。
詳しく言うと、現役の国家公務員が、公益法人等に対し、他の国家公務員・元国家公務員の再就職を依頼することや、再就職させる目的で国家公務員・元国家公務員の情報提供等を行うことは禁止されている、ということです。
例えば、再就職させたい者の氏名や職歴などの情報を公益法人等へ提供したり、公益法人等へ受け入れ可能なポストや待遇面などの情報を問い合わせたりすると違反となります。

(2)求職活動規制

利害関係のある公益法人等への求職活動に関する規制です。
現役の国家公務員が、職務として携わる契約や処分などの相手方となっている利害関係のある公益法人等に対し、求職活動を行うことは禁止されています。
例えば、再就職することを目的として、自分の氏名や職歴などの情報を利害関係のある公益法人等へ提供したり、利害関係のある公益法人等へ職務内容や待遇面などの情報を問い合わせたり、再就職の約束などをすると違反となります。

(3)働きかけ規制

再就職した元国家公務員による、元の職場への働きかけを規制するものです。
再就職した元国家公務員が、再就職先の契約や処分に関し、便宜を図るよう元の職場に働きかけを行うことは禁止されています(原則として退職後2年間)。

国家公務員・元国家公務員の採用には一定の規制があることを理解し、国家公務員・元国家公務員に規制に違反する行為を求めないようにすることが大切です。

こんなことはNG!具体例

退職間近な職員がいることや、再就職先法人のポストに関する情報提供、再雇用の約束、処分や契約に関する働きかけは、再雇用等規制に抵触します。

国家公務員・元国家公務員の採用には一定の規制(再雇用等規制)がありますが、具体的にどのような事例がNGなのでしょうか?
再就職等監視委員会では、その具体的な発言が挙げられています。

(1)再就職依頼・情報提供等規制違反

  • 国家公務員から公益法人等に対して「そちらに推薦したい退職間近な職員がいる」「その職員の履歴書を送るのでよろしく」などとサウンドした。
  • 退職後に再就職する可能性のあるポストに関する情報提供を依頼するとともに、再就職する可能性のある職員に関する情報(氏名・評判等)を法人に伝えた。
  • ある省の元国家公務員(A氏)の再就職のため、他省の職員が法人に対してA氏の履歴書を送った。(この場合、A氏の履歴書を法人に送った他省の職員も規制違反になる可能性があります)
  • …など

(2)現職職員による利害関係企業等への求職活動規制違反

  • 国家公務員が利害関係法人から再就職の誘いを受けて、その誘いに応じる旨の意思表示をした。
  • 利害関係法人が任期付き国家公務員の再就職を約束した。
  • 国家公務員が「もうすぐ定年退職」「これが最後の仕事」などと告げて、再就職の誘いを誘発し、これに対して利害関係法人が再就職の誘いをする。これに対して国家公務員が異動により利害関係がなくなる事実及び時期を伝え、法人トップとの面談を要求した。
  • …など

(3)再就職者(元職員)による元の職場への働きかけ規制違反

  • 再就職した元国家公務員が、現役の国家公務員に対して「うちの法人への処分を軽くしてください」などと処分に関する働きかけをする。
  • まだ公示されていない入札の情報を先に教えてもらうなどの働きかけをする。(契約に関する働きかけ)
  • …など

こうした具体例を見ると、どういったことが規制に抵触するかイメージが沸くかと思います!

再就職等規制に違反すると?

再就職等規制違反が認定された場合、その事案概要が公表されます。
また、再就職等規制違反が疑われる場合、事実確認のため、再就職等監視委員会による聞き取りや書類提出といった調査協力が求められることがあります。

公益法人等(公益法人・一般法人)が、国家公務員法のいわゆる「再就職等規制」を遵守して国家公務員・元国家公務員を雇用することは問題がありません。
しかし、万一、違反した場合は、相応のペナルティがあります。

再就職等規制違反が認定された場合、その事実概要が公表されます。その結果、その採用自体が取りやめになったり、違反に関係した法人名が公になることもあり得るなど、公益法人等に不利益をもたらす可能性があります。

また、再就職等規制違反が疑われる場合、事実確認のため、再就職等監視委員会による聞き取りや書類提出といった調査が行われることもあります。

公益に資する活動を行っている公益法人等にとって「公務員の天下りの規制に抵触した」という事実は、非常に聞こえの悪いものになります。
国家公務員・元国家公務員の優れた才能を法人活動に活かすということ自体は禁止事項ではありませんので、規制の理解は非常に重要です。

万一、規制違反を見聞きした場合は、再就職等監視委員会事務局まで情報提供してください。
提供情報に基づき、再就職等監視委員会による調査が行われると思いますが「情報提供者が所属組織や調査先などに特定されることのないよう万全を期しております」(再就職等監視委員会)ということです。

■再就職等監視委員会事務局
TEL:03-6268-7660~7668、7681
URL:https://www5.cao.go.jp/kanshi/index.html

官民人材交流センター

官民人材交流センターは、国家公務員の再就職の支援及び官民の人材交流の支援を行う内閣府の機関です。

国家公務員・元国家公務員が、公益法人等(公益法人・一般法人)に再就職することは禁止されていません。しかし、国家公務員法には再就職等規制による禁止事項があるため、安易に役所に相談して人材を紹介してもらうと、規制違反を誘発する恐れがあります。

(図:国家公務員を採用しようとする場合の言動例(悪い言動例)/内閣府HP)

(図:国家公務員を採用しようとする場合の言動例(悪い言動例)/内閣府HP)

そこで、国家公務員・元国家公務員の採用を考える際に利用したいのが「官民人材交流センター」です。

官民人材交流センターでは、「求人・求職者情報提供事業」として自主的な求人・求職活動を行えるよう支援する業務を行っています。国から認められた業務ですので、安心して利用できます。
この官民人材交流センターが運営する「官民ジョブサイト」では、国家公務員のシニア層(45歳以上)に特化した求人・求職者の情報提供を行っています。

官民ジョブサイトは、国家公務員の求人への応募を待つ、いわゆる求人募集ができるだけでなく、求職者情報を検索してほしい人材をスカウトすることもできるのが特徴です。求職者情報は、利用登録後すぐに検索できるようになります。
もちろん、再就職等規制に抵触しないかどうかはセンターが事前にチェックしますので、安心して利用できます。利用開始から採用決定まで無料で利用できるので、費用もかかりません。

(図:国家公務員を採用しようとする場合の言動例(良い言動例)/内閣府HP)

(図:国家公務員を採用しようとする場合の言動例(良い言動例)/内閣府HP)

官民ジョブサイトは、スペシャリスト・幹部級の即戦力、各地方を含む全国の人材も登録しています。公務で培った高い専門能力・事務能力を持つ経験豊富な人材を採用したい!という法人は、検討してみるとよいでしょう。
利用の際に必要な各種様式や情報については、内閣府の官民人材交流センターホームページに掲載しています。

■官民人材交流センター
https://www8.cao.go.jp/jinzai/


  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

関連記事

これまでの記事

月を選択