何をしたら「善管注意義務違反」になるの?
【質問】
公益法人の理事です。
理事には「善管注意義務」があるといいますが、具体的にどういうことをすると「善管注意義務」を果たしていないとされるのでしょうか?
【回答】
理事会等に本人が出席しないで代理人を出席させる、業務を特定の他者に任せ霧にするなど、理事としての任務・業務を責任をもって果たしていない場合に善管注意義務が問われることがあります。
公益法人の理事等が、任務を怠ったことにより法人に損害を与えた場合、あるいは職務について悪意または重大な過失があって第三者に損害を与えた場合には、その理事等の「善管注意義務」を果たしていたかどうかが問われる可能性があります。
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具体的には、次のようなことを行った場合に善管注意義務違反を問われる可能性がありますので注意が必要です。
- ・理事会等に本人が出席しないで代理人を出席させる
- ・委任状を用いた理事会運営を行う
- ・理事会や社員総会等の決議案や議事録を作成する際にまったく閲覧しないなど、理事会等の運営に適切に関与しない
- ・業務の実施や通帳の管理等を特定の理事・職員または外部の業者等に任せきりにする
- ・職員等に理事個人の印鑑を預けて事務的な手続きを任せきりにする
たとえば、法人の経理を特定の職員に任せきりにしていたため、その職員が法人の預金を繰り返し横領していたことに長年気づかなかった場合、理事は財産管理のために必要な善管注意義務を怠ったとして損害賠償等の責任を追及される可能性もありますので注意が必要です。
つまり、法人の意思決定や運営のために必要な場の運営に適切に関与しない、業務を他者に任せきりにするなど、理事としての任務・業務を「よきにはからえ」とばかりにおざなりに行うことは「善管注意義務違反」となる可能性がある、ということです。
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