承認に係る特例の対象範囲に改正が―平成29年度与党税制改正大綱―
【ポイント】
平成29年度与党税制改正大綱が公表され、公益法人に関する税制改正として、現物寄附へのみなし譲渡所得税に係る特例措置に関して、一定の要件を満たすものについて承認手続きが簡素化される見通しとなりました。
平成29年度与党税制改正大綱が公表され、公益法人に関する税制改正として、現物寄附へのみなし譲渡所得税に係る特例措置に関して、一定の要件を満たすものについて承認手続きが簡素化される見通しとなりました。
もう少し具体的に言うと、公益法人等に対して財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税の適用に係る申請書の提出があった日から1月以内に、国税庁長官の承認をしないことの決定がなかった場合(平たく言うと「何も音沙汰ナシだった場合」)に、その承認があったものとみなす特例(以下「承認に係る特例」という。)についての改正です。
まず、「承認に係る特例」の対象範囲として、一定の贈与又は遺贈(以下「遺贈等」という。)が加わります。
公益法人関連で言うと、たとえば公益社団法人又は公益財団法人に対する遺贈等で当該公益社団法人又は公益財団法人の理事、監事、評議員その他これらに準ずるもの(その親族等を含む。以下「役員等」という。)以外の者からのもののうち、その贈与等に係る財産が当該公益社団法人又は公益財団法人の公益目的事業を行うために不可欠な特定財産とされるものなどの贈与・遺贈についても、承認に係る特例の対象となります。
ただし、承認に係る特例の対象資産から株式、新株予約権、特定受益証券発行信託の受益権及び社債的受益権等は除外されます。
つまり、その公益法人等の公益目的事業を行うために不可欠な特定財産とされるものなどの贈与・遺贈(法人の役員やその親族等以外の人からのもの)で、株式等以外のものが「承認に係る特例」の対象として新たに加わることになる、ということです。
与党税制改正大綱は、政権与党(平成29年度与党税制改正大綱は自民党・公明党)が、翌年度以降にどのように税制を変えるべきかを話し合い、まとめたものです。
政府は大綱に従って通常国会に税制改正法案を提出し、国会で法案が可決・成立後に施行されることになります。
そのため、現段階では決定事項ではありませんが、今後の税制改正の行方を見る上で重要な資料とされています。
今回のポイントについても、最終的にどのように法案が成立するのか、注目したいですね!
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