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より柔軟・スピーディーに?! 公益法人運営に関する行政手続き ―「新しい時代の公益法人制度の在り方に関する有識者会議」最終報告

公益法人運営に関する行政手続き

公益法人運営に関する行政手続、改正ポイントは2つ!

公益法人が公益目的事業を行っていくうえで、ただ野放図に事業を行うのでなく一定の行政手続きを経ることは、公益法人制度を適正に運用するためにも必要です。
一方で、多様で変化の激しい社会のニーズに柔軟かつきめ細やかに対応しながら公益目的事業を展開していくためには、公益法人が必要に応じ柔軟・迅速に事業の改編や組織の再編を行っていくことも重要です。

「新しい時代の公益法人制度の在り方に関する有識者会議」最終報告では、公益法人制度の適正な運用を確保しつつ、柔軟・迅速な事業展開のニーズに対応していくため、公益認定・変更認定や合併等に関する行政手続を簡素化・合理化した上で明確化することが検討されています。

その大きなポイントは以下の2点です。
(1)公益認定・変更認定手続きの柔軟化・迅速化
(2)合併などの事業・組織再編手続の柔軟化・迅速化

公益認定・変更認定手続の柔軟化・迅速化

現在、公益法人が事業内容等を変更する場合は、改めて行政庁の「認定」を要する事項がたくさんあります。
また、認定を受けるための審査の過程において、ガイドライン等で明記されていない書類を後から求められることもあり、法人の事務負担が増えがちであることや、審査期間が長期化する点も課題でした。

さらに実務的な課題として、その事業内容等の変更が、届出事項なのか認定事項なのかが不明瞭なことが多く、実際にいずみ会計のお客様からも「事業変更をしたいのだが届出で済むのか認定事項になるのか」といったご相談は毎年のように受けております。

そもそも公益法人が事業内容を変更するのは、社会のニーズに適時・適切に対応するためや、さらに充実した事業を実施するためなど、すぐに着手したい、あるいは事務負担を少なく次のステップに全力を傾けたい、といった想いがあります。

「新しい時代の公益法人制度の在り方に関する有識者会議」最終報告では、迅速・柔軟な事業改編を阻害しないよう、手続を簡素化・合理化、基準や必要な書類を可能な限り明確化することで、公益法人が必要な事務手続を理解し、取り組みやすくする方針を示しました。

①変更認定事項の届出化
変更認定に係る行政手続については、「事業の公益性(不特定かつ多数の者の利益の増進への寄与)に実質的に大きな影響を与えない変更」であって、かつ、「当該変更後に不適切な事態が発生した場合には事後の監督手段で是正しうると想定されるもの」は、届出事項とする方向で、関連する法令の改正を検討します。

届出化の方向で検討する事項の例は、次の通りです。
・公益目的事業の再編・統合(事業内容の実質的な変更を伴わないもの)、縮小・廃止など、新たな公益性の判断を要しない変更
・収益事業等の内容の変更
…など

②認定事項と届出事項の具体的な基準の明確化
基準の明確化に当たっては、事業目的の公益性、受益の機会、事業の質、公正性等への影響の観点から、判断の基礎となる考え方を明らかにするとともに、具体的な事例を踏まえた類型を整理します。
方向性としては、「法人が外形的に判断できるような基準」でガイドラインを改正する見通しです。

併せて、認定等に関する行政の判断のぶれやばらつきを極力なくす観点から、改正により明確化された基準等について、国・都道府県の関係職員への研修も強化される予定です。

③運用面での審査の迅速化
認定等審査の迅速化、透明性・予見可能性向上のため、認定等審査に当たり申請者に対して求める書類を簡素化・合理化し、明確化するように、内閣府令・ガイドラインの改正が見込まれます。
また、行政庁において認定等に係る審査に要した期間の状況を公表し、認定等の審査時間短縮化のモチベーションに繋げることも検討されています。

合併などの事業・組織再編手続の柔軟化・迅速化

公益法人の合併に係る行政手続は、現状、おおむね標準処理期間内で処理されています。一方で、合併の形式(吸収合併・新設合併)・主体(存続法人・消滅法人・新設法人)・法人形態(公益法人、移行法人、一般社団・財団法人)によって手続が異なり、必要な段取り・手続が分かりにくい、という意見もあります。

「新しい時代の公益法人制度の在り方に関する有識者会議」最終報告では、公益法人が変化に対応して迅速に事業・組織再編を行うことができるよう、合併などの事業・組織再編手続を柔軟化・迅速化するように法令やガイドラインを見直すことが盛り込まれました。

①合併手続の見直しと透明性の向上
新法制に基づき合併手続のマニュアル化・周知を行う予定です。
具体的には、吸収合併に係る行政手続については、消滅法人が実施していた事業を変更なく引継ぐ場合等については、変更認定手続の考え方に沿って届出化することを検討中です。
また、新設合併に係る行政手続については、地位の承継認可手続に関する審査のメリハリを付け、必要書類の明確化・合理化等による迅速化も検討しています。

②法人による自発的な認定取消しの取扱い
法人の経営判断による公益法人、一般社団・財団法人間の転換容易化の観点から、認定取消し後、5年間は再認定を受けることができないとする欠格事由について、自発的な申請に基づく取消しの場合を除外することが検討されています。

社会のための公益的活動をスピーディかつ適正に行うための行政手続の改正には注目していきたいですね!


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