fbpx
公益法人の税務・会計、公益認定を目指す団体・新規設立の一般社団・一般財団様へ
公益法人会計.com

東京都千代田区・地下鉄有楽町線麹町駅5番 出口より徒歩2分。 公益法人専門税理士があなたをサポート

  • 公益法人・一般社団・一般財団様向けセミナー情報
  • 公益法人会計のQ&A 集
公益法人専門の税理士 いずみ会計事務所・税理士浦田泉

公益法人運営

[公益法人の寄附]寄附の役割と寄附集めの5つのポイント

公益活動に「寄付金」を!

【ポイント】
寄附は法人だけでなく、寄附者にとってもメリットがあります。
 

「令和元年度 公益法人の寄附金収入に関する実態調査」によると、寄附金収入がゼロの公益法人は、平成30年度は全体の54.9%だったことがわかりました。
これは、半分以上の法人は寄附金受入の余地があることを示しており、日本の寄附文化の醸成に一役買う可能性を秘めている、とも言えます。

法人にとって寄附のメリットといえば

  • ●活動資金の増加・安定化につながる
  • ●集めた寄附金の使途・成果を可視化することで、信頼性の確保につながる
  • ●寄附者が増加すれば、様々な寄附集めの手法を開発するインセンティブにつながる
  • ●寄附者が寄附先のプレゼンテーターとしての役割を担うことで、寄附先の活動の認知度が高まる
  • ●共感による寄附を集めれば、様々な寄附者が寄附先団体の経営支援にボランティアなどで関わる機会も増え、法人自身の事業の改善につながる

(出典:「寄附に支えられた公益活動のために」(内閣府)より)

などが挙げられますが、寄附をした方(寄附者)にとっても次のようなメリットが考えられます。

  • ●社会の課題解決が自分にとって身近になるとともに、自分の行動が社会貢献につながるという喜びを享受
  • ●強制ではなく、寄附先の団体・個人の活動や理念に共感した上で、一人一人が自分で選択するという価値観が広がる(共感型寄附)
(出典:「寄附に支えられた公益活動のために」(内閣府)より)

寄附は法人だけでなく、寄附者にとってもメリットがあることを理解し、その寄附者が寄附しやすい、寄附をしたいと思える仕組みを作ることで、法人も寄附者もハッピーになれると思います!

寄附者の立場に立った寄附集めを

【ポイント】
寄附集めは「寄附者の立場に立った仕組みづくり」と「組織の体制づくり」が必要です。寄附者の立場に立った仕組みづくりのポイントとしては、(1)寄附者の共感・納得・信頼を得る、(2)寄附のメニューを多数用意する、(3)寄附の方法を選べるようにする、といったことが挙げられます。
 

法人・寄附者双方にメリットがある寄附。
ではその寄附を集めるには、どのような点をおさえればよいでしょうか。

大きく分けると「寄附者の立場に立った仕組みづくり」と「組織の体制づくり」といった面を考える必要があります。
「『寄附』に支えられた公益活動のために」(内閣府)によると、寄附集めのポイントが5つ、紹介されています。
この5つのポイントのうち、「寄附者の立場に立った仕組みづくり」に関連する3つのポイントを紹介します。

(1)寄附者の共感・納得・信頼を得る

寄附者が寄附先を選ぶ際に特に重視することは、
・活動の趣旨や目的に賛同・共感できること
・寄附金の使い道が明確で、有効に使ってもらえること
・寄附の方法がすぐに分かり簡便であること
の3つだといわれています。
まずは、寄附者が法人の活動に対して共感・納得・信頼することが最も大事なことであり、全てはここからスタートするといっても過言ではないのです。

(2)寄附のメニューを多数用意する

寄附の選択肢を多く用意することも大切です。
例えば、使途自由の会費だけでなく、イベントの際に寄附金を募集したり、使途を限定した寄附メニューを用意することで、寄附者の多様な関心に応えられるようになります。
使途を限定した寄附を受ける場合は、指定寄附金の経理についてもチェックしておきましょう。

(3)寄附の方法を選べるようにする

気軽に寄附を行えるように、寄附金額や決済方法を選べるようにしましょう。
寄附金をクレジットカードで払うことができる、ネットから簡単に寄附ができる、毎月定額(数百円程度から)を寄附できるといった方法は、気軽に寄附を行える方法として人気があります。

寄附を集める組織の体制づくり

【ポイント】
寄附集めは「寄附者の立場に立った仕組みづくり」と「組織の体制づくり」が必要です。組織の体制づくりのポイントとしては(1)寄附の呼びかけと業務プロセスの整備、(2)ツールの作成、といったことが挙げられます。
 

寄附者の立場に立った仕組みづくりに関連する3つのポイントに続いて、「組織の体制づくり」に関連する2つのポイントを紹介します。

(4)寄附の呼びかけと業務プロセスの整備

理事やボランティアの方々に寄附集めに協力してもらうことも大切です。
理事やボランティアの方は、法人の活動についてよく知る立場にありますので、「こんな法人が、寄附を募っている」ということを積極的にPRしてもらうとよいでしょう。理事自身も「当法人は寄附を受けている」という意識をもつきっかけになります。
寄附の呼びかけだけでなく、寄附者の名簿作り、お礼状の作成など、寄附を受けた際の業務プロセスもあわせて考えておきましょう。

(5)ツールの作成

活動を紹介するパンフレットやHPを作成しましょう。活動に興味のない人が読むことを前提に、専門用語を使わず、わかりやすさと見やすさを意識して作成しましょう。
法人のパンフレットやHPを作り直すタイミングにある場合は、寄附を意識した分かりやすさと見やすさを意識して作り変えるとよいでしょう。
最近は、ネット印刷などをうまく利用すると十万円以内で立派なパンフレットを印刷することができますし、必要な情報を法人側でアップデートできるようなHPづくりも、以前より簡単にできるようになっています。

寄附金を受ける法人、年々増加傾向に

【ポイント】
内閣府が発表した「公益法人の寄附金収入に関する実態調査」によると、寄附金の受入金額、受入れ件数がゼロの法人は平成26年度から年々減少していることがわかりました。
 

内閣府が2020年7月に発表した「公益法人の寄附金収入に関する実態調査」によると、公益法人の寄附金の受入状況につき、寄附金の受入金額がゼロの法人は、平成26年度(2014年度)の58.6%から年々減少し、平成30年度(2018年度)は54.9%となったことがわかりました。
同様に、受入れ件数がゼロの法人も59.5%から56.0%に年々減少しています。

定期的な寄附金収入が「必要である」と回答した法人(全体の45.6%)にその理由を尋ねると、回答割合の多い順に、「あらかじめ見込まれている額の公益目的事業費用に充てるため」(72.2%)、次いで、「法人の管理費用に充てるため」(52.9%)、「従来からの公益目的事業の規模を拡大するため」(20.8%)となりました。

一方で、定期的な寄附金収入(現物寄附の受入含む)が「必要でない」と回答した法人(全体の54.4%)にその理由を尋ねたところ、「公益目的事業の対価による収益で事業実施が可能だから」と回答した割合が最も高く(48.6%)、次いで、「会費収入等による安定した収入が確保できているから」(32.4%)が続く結果となりました。

寄附金の収入が必要かどうかは、法人の運営実態により異なります。必要に応じて、法人運営にうまく活用していきたいですね。

いずみ会計事務所無料相談ボタン_03

みなし譲渡所得の非課税措置

現物による寄附を受け入れている公益法人は7.6%-みなし譲渡所得の非課税措置

【ポイント】
内閣府が発表した「公益法人の寄附金収入に関する実態調査」によると、公益法人(公益社団法人、公益財団法人)の現物寄附等の受入について、現物による寄附を受け入れている法人は7.6%、みなし譲渡所得税の非課税申請を行った法人は57法人だったことがわかりました。

令和2年7月、内閣府は「公益法人の寄附金収入に関する実態調査」の結果を発表しました。
この調査の目的の一つに「平成28年度以降の税制改正の認識の把握」というものがあり、質問事項の一つに「現物寄附等の受入について」がありました。

これは、みなし譲渡所得課税の非課税措置に関する認知度や寄附実績を調査するものです。

調査によると、寄附の受入形態は、「現金による寄附」と回答した割合が56.3%と半数強を占め、「現物による寄附」と回答した割合は7.6%だったことがわかりました。
現物による寄附を受け入れている法人のうち、みなし譲渡所得課税の非課税申請を行った、又は、行っている法人は、それぞれ57法人、22法人存在(3法人は重複)し、全体に占める割合は17.4%でした。
非課税申請を行ったが承認を受けられなかった法人はいなかったが、「分からない」と回答した割合は38.7%だったことがわかりました。

公益法人(公益社団法人、公益財団法人)に対して個人が現物資産を寄附した場合、国税庁長官の承認を得ることで、みなし譲渡所得税が非課税となります。
平成30年度税制改正により、この非課税措置及び非課税措置における承認に係る特例が拡充されています。

このブログでは、この制度について詳しくお話しいたします。

みなし譲渡所得の非課税措置とは?

【ポイント】
公益法人(公益社団法人、公益財団法人)に対して個人が現物資産を寄附した場合、国税庁長官の承認を得ることで、みなし譲渡所得税が非課税となります。

所得税法上、個人が現物資産(土地、建物、株式、美術品等)を寄附した場合には、これら資産は寄附時の時価により譲渡があったものとみなされ、これらの資産の取得時から寄附時までの値上がり益に対して寄附者に所得税が課税されるのが原則です。
これを「みなし譲渡所得」といいます。

しかし、公益法人に対して個人が現物資産を寄付した場合、一定の条件を満たせば「みなし譲渡所得」が非課税になります。
これを「みなし譲渡所得の非課税措置」といいます。

では何が「一定の要件」なのかというと…

個人が土地、建物、株式、美術品等の現物資産を公益法人等に寄附したとき、「その寄附が公益の増進に著しく寄与することなど一定の要件を満たす」として国税庁長官の承認を受けた場合には、本来課税される「みなし譲渡所得」税が非課税となる特例です。
これを「一般特例」といいます。

また、一般特例とは別に、一定の要件の下、申請書を提出した日から原則として1か月以内に国税庁長官の承認又は不承認の決定がなかったときは、国税庁長官による承認があったものとみなされる承認手続の特例(承認特例)も設けられています。

平成29年度及び平成30年度の税制改正で、この「みなし譲渡所得の非課税措置」の特例の範囲が広がっています。

みなし譲渡所得の非課税措置、拡充された点(1)-特例承認における寄附先-

【ポイント】
平成30年度税制改正で、みなし譲渡所得の非課税措置の特例承認に係る特例が拡充されました。

令和2年7月、内閣府が発表した「公益法人の寄附金収入に関する実態調査」では、「現物寄附等の受入について」の質問がありました。
この調査の目的の一つに「平成28年度以降の税制改正の認識の把握」というものがありました。
つまるところ、「みなし譲渡所得課税の非課税措置」に関する認知度や寄附実績を調査するということがあり、この質問が盛り込まれたようです。
では「みなし譲渡所得課税の非課税措置」とはどういうものなのでしょうか?

公益法人(公益社団法人、公益財団法人)に対して個人が現物資産を寄附した場合、国税庁長官の承認を得ることで、みなし譲渡所得税が非課税となります。これが「みなし譲渡所得の非課税措置」です。

平成30年度税制改正で、この非課税措置と非課税措置における承認に係る特例が拡充されました。拡充の内容は2つありますが、今回はそのうちの1つを紹介いたします。

1つは承認特例における寄附先として一定の要件を満たす公益法人が追加されたことです。
原則として、個人が公益法人に対して土地等の現物資産を寄附した場合、当該寄附資産を公益法人が2年以内に公益目的事業の用に直接供すること等の要件を満たすときは、国税庁長官の承認を得て非課税措置の適用を受けることができます。
一方「承認特例」とは、一定の要件を満たす場合には国税庁長官の非課税承認決定が申請から一定の期間内に行われなかったときは、自動的に承認があったものとみなされることをいいます。

この承認特例における寄附先として、行政庁の確認を受けた「基金」の中で寄附資産を管理する等の一定の要件を満たす公益法人が追加されました。また、「基金」の中で管理する資産については、資産の構成を組み替えること(土地⇒有価証券等)が可能です。

みなし譲渡所得の非課税措置、拡充された点(2)-特定買換資産の特例-

公益法人(公益社団法人、公益財団法人)に対して個人が現物資産を寄附した場合、国税庁長官の承認を得ることで、みなし譲渡所得税が非課税となります。これが「みなし譲渡所得の非課税措置」です。
平成30年度税制改正で、この非課税措置と非課税措置における承認に係る特例が拡充されました。拡充の内容は2つあり、1つは承認特例における寄附先が拡充したというものでこれは前回、お話をいたしました。
今回はもう1つの論点である「特定買換資産の特例の創設」についてお話しいたします。

現行、公益法人がみなし譲渡所得の非課税措置の対象となる寄附資産を受入れている場合に買換えを行う際には、その対象資産を2年以上公益目的事業の用に直接供した後に同種の資産に買換え、かつ、当該買換え後の資産を1年以内に公益目的事業の用に直接供する場合にのみ、引き続き非課税措置を受けることができます。

「特定買換資産の特例」は、その対象資産であっても、「基金」に組み入れて管理し、その後買換えた資産(特定買換資産)を当該基金の中で管理する等の一定の要件を満たす場合には、公益法人が国税庁長官へ必要書類を提出することで、引き続き非課税措置を受けることができるようになる、というものです。

令和2年7月、内閣府が発表した「公益法人の寄附金収入に関する実態調査」によると、寄附の受入形態は、「現金による寄附」と回答した割合が56.3%と半数強を占め、「現物による寄附」と回答した割合は7.6%だったことがわかりました。

現物による寄附を受け入れている法人のうち、みなし譲渡所得課税の非課税申請を行った、又は、行っている法人は、それぞれ57法人、22法人(3法人は重複)存在し、全体に占める割合は17.4%でした。

現物による寄附は、現金による寄附よりもマイナーなケースであること、さらにみなし譲渡所得の非課税申請を行ったケースはさらに少ないことがわかります。
これは制度自体が知られていない、あるいは理解が十分でないことも考えられます。

調査によると、非課税申請を行ったが承認を受けられなかった法人はいなかったこともわかっています。
制度を十分に理解したうえで、寄附者に有利な税制を紹介できると寄附集めの役に立つかもしれませんね。

いずみ会計事務所無料相談ボタン_03


平成28年に緩和されたPST要件をおさらい

【ポイント】
平成28年4月1日から、事業規模の小さい公益法人等についても税額控除制度の対象となることができるように、PST要件の絶対値要件が緩和されています。

公益法人等に個人が寄附をした場合、寄附をした個人は一定の所得控除を受けることができる税制上の優遇措置があります。
さらに、幅広い人々から支持を受けている(=寄附金を受けている)公益法人等に個人が寄附を行った場合は、寄附をした個人は所得控除か税額控除のいずれか有利なほうを選んで受けることができる、さらなる優遇措置があります。

「幅広い人々から支持を受けている(=寄附金を受けている)公益法人等」になるためには、一定の要件を満たす必要があります。この要件のことを「PST要件」といいます。

平成28年4月1日から、事業規模が小さい公益法人等についても税額控除制度の対象となることができるように、寄附実績に係るPST要件(絶対値基準)を、法人の公益目的事業等の規模に応じて緩和されています。

PST要件とは次のものをいい、法人が過去に受けた寄附実績(例えば5年間の平均値)において、以下の要件1又は要件2いずれかの要件を満たすことが必要となります。

<要件1(絶対値要件)>

【平成28年度税制改正による緩和前】
寄附金額3,000円以上の寄附者が、年平均100人以上。
(公益法人の事業規模に関わらず全ての法人で同一の要件)

【平成28年度税制改正による緩和後】
●公益目的事業費用が1億円以上の事業年度の場合=寄附金額3,000円以上の寄附者が、年平均100人以上。(緩和前と同じ)

●公益目的事業費用が1億円に満たない事業年度がある場合、その事業年度の寄附者数は、(ア)により計算した判定基準寄附者数を用いて上記の要件を判断し、かつ(イ)の要件を満たすこと。

(ア)判定基準寄附者数=(実際の寄付者数×1億)/(公益目的事業費用の額の合計額)※
※1,000万円未満の場合には1,000蔓延

(イ)寄附金総額が年平均30万円以上

<要件2(相対値要件)>

法人の経常収入金額に占める寄附金等収入の割合が、1/5以上

内閣府が2020年7月に発表した「公益法人の寄附金収入に関する実態調査」によると、PST要件の緩和について「知らなかった」と回答した法人が36.0%、「そもそもPST要件自体を知らなかった」と回答した法人は35.5%と、実に7割以上の法人が知らないと回答しています。

事業規模の小さな法人でも、税額控除法人を目指すことができます。詳しくは顧問税理士までぜひご相談ください!

いずみ会計事務所無料相談ボタン_03

寄附金を受けていない法人、年々減少傾向-公益法人の寄附金収入に関する実態調査

【ポイント】
内閣府が令和2年7月に発表した「公益法人の寄附金収入に関する実態調査」によると、寄附金収入金額が「0円」の公益法人(公益社団法人、公益財団法人)は、平成26年度(58.6%)から平成30年度(54.9%)まで年々減少していることがわかりました。

実態調査

令和2年7月、内閣府は「公益法人の寄附金収入に関する実態調査」の結果を発表しました。

これによると、公益法人(公益社団法人、公益財団法人)で寄付金収入金額が「0円」の法人は、平成30年度で54.9%だったことがわかりました。
これは、平成26年度(58.6%)から年々減少していることになります。
また、寄附金受入件数が「0件」の公益法人は、平成30年度は56.0%であり、こちらも平成26年度(59.5%)から年々減少しています。

定期的な寄附金収入(現物寄附の受入含む)が「必要である」と回答した法人は45.6%。
その理由は、「あらかじめ見込まれている額の公益目的事業費用に充てるため」(72.2%)、次いで、「法人の管理費用に充てるため」(52.9%)、「従来からの公益目的事業の規模を拡大するため」(20.8%)となっています。

一方で、定期的な寄附金収入(現物寄附の受入含む)が「必要でない」と回答した法人は、半数以上の54.4%。
その理由は、「公益目的事業の対価による収益で事業実施が可能だから」と回答した割合が最も高く(48.6%)、次いで、「会費収入等による安定した収入が確保できているから」(32.4%)となりました。

寄附金は公益法人の活動資金を得るための重要な手段の一つです。
これに頼ること、頼らないこと、法人によって対応は様々ですが、こうしたアンケートの回答を見ていると、安定的な法人運営に何が必要か、ヒントになる情報も多いような気がしますね!

いずみ会計事務所無料相談ボタン_03

登記の基本実務-原本証明

【ポイント】
登記手続きは原則としてすべて原本を提出しますが、定款の写しを提出する場合は、原本証明をしたうえで写しを提出することができます。

登記の基本実務-原本証明

公益法人(公益社団法人、公益財団法人)および一般法人(一般社団法人、一般財団法人)が登記手続きを行う場合、提出書類は原則としてすべて原本が必要となります。
例えば役員変更登記の際の就任承諾書、議事録、新任役員の本人確認証明書(住民票、戸籍の附票など)、印鑑証明書…こうしたものは原本を提出するのが原則です。

ただし、定款については原本を提出する代わりに、写しに原本証明をつけて提出することが認められています。

原本証明は「写しが原本に間違いない」旨(例えば「この写しは原本と相違ないことを証明します。」といった文言)を末尾等に記載し、法人名・代表者名を記載して、法人の実印を押す形で行います。
袋とじした部分への割り印もお忘れなく!

いずみ会計事務所無料相談ボタン_03

内部管理体制を構築しないとどうなる?

【ポイント】

内部管理体制の構築義務のある法人の場合、内部管理体制を構築しないと法令違反や善管注意義務違反となります。また、構築義務のない法人であっても、内部管理体制を構築しないことによって善管注意義務違反となる可能性があります。

負債200億円以上の大規模法人は内部管理体制の構築義務があります。

構築義務のある大規模法人が内部管理体制を構築しなかった場合、法令違反や善管注意義務違反が明らかになります。

罰則の規定はありませんが、公益法人の場合、認定法上の任意的な公益認定取り消しの事由となり得るため、注意が必要です。

また、法人に対する、および第三者に対する損害賠償責任の直接・間接の原因となりうることも考えられます。

社団の場合は、社員代表訴訟の直接・間接の原因となり得ます。さらに、可能性としては、役員等の解任の訴えの原因にもなり得ます。

構築義務のない法人の場合、法令違反にはなりませんし、罰則の対象にはなりませんが、善管注意義務違反となる可能性があります。

また、罰則の対象外だとしても、損害賠償責任や社員代表訴訟の直接・間接の原因になることも考えられます。

内部管理体制をどう整えていけばよいかについては、公益法人等に詳しい税理士等の専門家までお問い合わせください。

2020年1月23日(木)14:00~
『公益法人・一般法人のコーポレート・ガバナンスと 内部統制体制について』
セミナー開催決定!

詳しくはこちら▼
https://koueki-kaikei.com/event/20200123/


初めての立入検査、何が行われるの?!

【質問】
今年、公益認定を受けた法人です。
公益認定を受けた法人は立入検査が行われると聞きましたが、立入検査って何をするのでしょうか?

【回答】
立入検査は、公益法人として順守すべき事項について、運営実態を確認する観点から行われます。立入検査では事業の実態等を中心に検査が行われます。

公益法人(公益社団法人、公益財団法人)及び公益認定を受けた一般法人(一般社団法人、一般財団法人)は、行政庁が法人の実態把握をするために「立入検査」を行うこととなっています。

具体的な実施時期については、公益認定後1回目の立入検査はできるだけ早期(認定後おおむね1年から3年以内が目安)に実施するよう努めることとされ、2回目以降は直近の立入検査実施後3年以内に実施することとされています。

立入検査が実施される場合、立入検査実施予定日の概ね1か月前に、実施日時や場所等が通知されます。
新公益法人の立入検査は、法令で定められた公益法人として順守すべき事項に関して、公益法人の事業の運営実態を確認する観点から行われます。
立入検査では、定期提出書類等で明らかになっている情報や外部から提供された情報などを活用し、公益目的事業の実態等、立入検査でないと確認が困難な事項を中心に検査が行われます。

いずみ会計事務所無料相談ボタン_03

制約のある寄附金、管理費には絶対、充当できないの?

【ポイント】

「公益目的事業のために使ってほしい」という寄附者の指定がある寄附金について、寄附額の一定割合を管理費に充当することについて寄附者の了承を得ることができれば、当該一定割合の寄附金の使途を管理費に充当できるものと考えられます。

制約のある寄附金、管理費には絶対、充当できないの?

寄附者からあらかじめ「●●の公益目的事業のために使ってほしい」といった指定のある寄附金については、すべてをその公益目的事業費に充当し、管理費に充当することができない、というのが原則となります。

しかし、実務的にはその公益目的事業を行うためには、相応の管理費もかかっていることが多いかと思います。

寄附者の指定のある寄附金について、寄附額のうち一定割合を管理費に充当することについて、寄附者の了解を得ることができれば、当該一定割合の寄附金の使途を管理費に充当することができる、と考えられます。

具体的には、寄附申込書や寄付金受領書などで、寄附額のうち一定額を管理費に充当することについて了承していることが立証できれば、その一定額を管理費に充当することができると考えられます。

いずみ会計事務所無料相談ボタン_03

災害への備えを特定費用準備資金で積立可能か?

【質問】

当法人は、大きな地震のリスクが高まっている、といわれている地域にあります。

そのため、万一法人の施設や事務所が被災した際の復旧に充てるために今期の剰余金の一部を特定費用準備資金として積み立てたいと思っていますが、可能でしょうか?

【回答】

地震などの災害時に、自法人の施設や事務所の復旧に充てるために積み立てる資金については、特定費用準備資金の要件を満たすことが難しいと考えるのが一般的です。

特定費用準備資金(いわゆる4号資産)の積立には、認定法上、一定の要件を満たしたもののみが認められます。

その要件とは、次の5つになります。

(1)資金の目的である活動を行うことが見込まれること。

(2)他の資金と明確に区分して管理されていること。(専用口座がある、など)

(3)資金の目的である支出に充てる場合を除くほか、取り崩すことができないものであること、または目的外で取り崩す場合に理事会の決議等の特別な手続きが定められていること。

(4)積立限度額が合理的に算定されていること。

(5)上記(3)の特別の手続きの定め、積立限度額及びその算定根拠について事業報告に準じた備置き、閲覧等の措置が講じられていること。

ご相談の方の場合、資金の目的である活動(災害時における自法人の施設や事務所の復旧)をいつ行うのかが不明瞭であることや、積立限度額の合理的な算定が難しいことが一般的であるため、特定費用準備資金として積み立てることが難しいと考えるのが一般的です。

ただし、同じ災害への備えであっても、法人の事業として災害救援等が定款上定められている法人が、当該災害救援事業に対する特定費用準備資金として積み立てる場合は、過去の実績等から災害支援にかかる備えとして合理的な金額を算定できれば積立要件を満たすもの、と考えられます。

実態に従ってケースバイケースで判断されますので、判断に悩むときは税理士等の専門家までご相談ください。

いずみ会計事務所無料相談ボタン_03

3号財産・4号財産の積立要件

【ポイント】

控除対象財産のうち、3号財産(資産取得資金)、4号財産(特定費用準備資金)の積立は、一定の要件をすべて満たした場合に認められます。

公益法人3号財産・4号財産の積立要件

公益法人が、当該事業年度の年末において有する財産で、法人の中で現に使用しているかまたは目的、用途が具体的に決まっている財産のことで、遊休財産額の計算上、資産から控除できる財産を「控除対象財産」といいます。

全部で6つ(いわゆる1号財産から6号財産まで)あり、資産取得資金は3号財産、特定費用準備資金は4号財産と呼ばれる控除対象財産です。

資産取得資金、特定費用準備資金ともに積み立てを行う場合は、5つの要件をすべて満たす必要があります。

【資産取得資金:3号資産】

(1)財産の取得、改良を行うことが見込まれること。

(2)他の資金と明確に区分して管理されていること。(専用口座がある、など)

(3)資金の目的である支出に充てる場合を除くほか、取り崩すことができないものであること、または目的外で取り崩す場合に理事会の決議等の特別な手続きが定められていること。

(4)財産の取得、改良に必要な最低額が合理的に算定されていること。

(5)上記(3)の特別の手続きの定め、最低額及びその算定根拠について事業報告に準じた備置き、閲覧等の措置が講じられていること。

【特定費用準備資金:4号財産】

(1)資金の目的である活動を行うことが見込まれること。

(2)他の資金と明確に区分して管理されていること。(専用口座がある、など)

(3)資金の目的である支出に充てる場合を除くほか、取り崩すことができないものであること、または目的外で取り崩す場合に理事会の決議等の特別な手続きが定められていること。

(4)積立限度額が合理的に算定されていること。

(5)上記(3)の特別の手続きの定め、積立限度額及びその算定根拠について事業報告に準じた備置き、閲覧等の措置が講じられていること。

いずみ会計事務所無料相談ボタン_03

収支相償-過去の赤字の補填はできるのか?

【質問】

公益社団法人です。当事業年度、今期行っている事業で100万円の黒字となる見込みです。当期の収支相償の計算で、当該事業に関する過去の赤字を費用として考えてもよいでしょうか?

【回答】

原則として、過去の赤字は当期の余剰金の使途として考えることができません。

公益法人の「収支相償」とは、公益法人が利益を内部にためずに公益目的事業に充てるべき財源を最大限活用して、無償・格安でサービスを提供し、受益者を広げようとするものであり、公益法人が受けている税制優遇の重要な基礎となる制度です。

ご相談の方の場合、公益目的事業会計の収益が費用を上回ってしまい、このままでは収支相償を満たさないので過去の赤字分を費用と考えてよいか、ということかと思います。

しかし、認定法上、当期の剰余金は、将来の公益目的活動の拡大に投資されるものと考えられます。

実務上はケースバイケースで判断されますが、過去の事業年度で発生した赤字の補填は、剰余金の使途として適当でない、と考えるのが原則です。

例えば、公益目的保有財産の取得、資産取得資金の積立や、特定費用準備資金の積立といった対応により、中長期的に収支が均衡することが確認されれば、収支相償を満たすものとされます。

(資産取得資金や特定費用準備資金の積立には、一定の条件があります。詳しくは、税理士等の専門家にご相談ください。)

また、このような場合であっても、予算の段階では収支相償となっていたはずです。

予算と決算を比べて、何が予算と違ったのか、その違いが生じた理由は何だったのかを検証することも、重要なポイントになります。

いずみ会計事務所無料相談ボタン_03

理事の競業及び利益相反取引って何?

【ポイント】

一般法人(一般社団法人、一般財団法人)や公益法人(公益社団法人、公益財団法人)の理事は、競業及び利益相反取引を行う場合には、一定の制限を受けます。それぞれの取引の特徴を把握しておくことが重要です。

一般法人や公益法人の理事が、競業及び利益相反取引を行う場合には、一定の制限を受けることになります。

では、競業取引、利益相反取引とは、どういうものをいうのでしょうか?

競業取引とは、「理事が自己又は第三者のために法人の事業の部類に属する取引をしようとするとき」とされています。

「事業の部類に属する取引」とは、市場において、法人の事業の目的として行う取引と競合することにより、法人と理事との間の利害の衝突が生ずる取引のこと、と解されています。

つまり、「法人の事業の目的」に注目することになるわけですが、この場合、法人が実際に事業の目的として行っているか否かが基準になるとされています。

定款に記載がない事業であっても、現に継続的に行っている事業や近い将来に行う予定である事業については該当する可能性があるため、注意が必要です。

また、利益相反取引は

(1)「理事が自己又は第三者のために法人と取引をしようとするとき」(いわゆる直接取引)

(2)「法人が理事の債務を保証することその他理事以外の者との間において法人と当該理事との利益が相反する取引をしようとするとき」(いわゆる間接取引)

と規定されています。

(1)については、例えば、理事が当該法人と売買契約を締結する場合、理事が当該法人主催の講演会の講師料や、法人発行の機関紙への寄稿による原稿料などを、理事の報酬とは別に受け取るような場合などが該当します。

この場合の注意点は、理事が自己又は第三者のために法人と取引をしていれば規制の対象となり、法人自身の代表理事である必要はないということです。

(2)については、明記のある債務保証以外に、例えば、法人が理事の債務を引き受ける場合、理事の債務について法人が担保を提供する場合などが挙げられます。直接取引でなくても、制限の対象となる取引があるということは注意が必要です。

どのような取引が規制の対象となるかについては、実際の現場では判断が難しいケースが多くあります。

まずはどのような取引が規制の対象になるのかを把握して、細かい判断については税理士等の専門家までご相談ください。

いずみ会計事務所無料相談ボタン_03

« PREV |