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公益法人専門の税理士 いずみ会計事務所・税理士浦田泉

経理現場のお仕事

軽減税率、導入されるとこうなる(3)-事務用品の一括購入

【ポイント】
事務用備品などを一括で購入している場合、飲食料品とそれ以外のものについては区分して記帳しなければいけません。

オフィス用品のインターネット通販を利用している法人は、少なくありません。
ワンストップでオフィスに必要なものが揃うし、わざわざ職員が買出しに出かけることなく、オフィスに必要なものが届くところ(重いものだと助かります!)も便利ですよね。

こうした事務用備品購入の場合、一定期間(たとえば1ヶ月)の購入分の請求書が届き、その請求額を支払うことが一般的です。
記帳の際には「事務用備品(●月分)」などの摘要で処理している方もいらっしゃるかと思いますが、軽減税率導入後は注意が必要です。

オフィス用品として、たとえば打ち合わせ用のお茶菓子や、オフィス用のコーヒー、かさばるペットボトル等の飲食料品を購入している場合、これらの分については軽減税率の対象となります。

2019年10月からは、現行の記載事項に加え、毎日の売上げ・仕入れ(経費)を税率ごとに区分して帳簿に記載しなければならないため、飲食料品とその他のオフィス用品は分けて記帳することになります。
なお、一定期間分の取引をまとめて記載した請求書等が交付された場合は、その期間分の取引をまとめて帳簿に記載しても問題ありません。

記載例

(図は、国税庁リーフレット「軽減税率制度への対応には準備が必要です!」(平成30年7月)より拝借しました)

先方から交付される請求書等が区分記載請求書等であれば、10%の税率が適用されるものと軽減税率が適用されるものの合計額が区分されて記載されていますので、請求書の記載にしたがって記帳すれば問題ありません。
しかし、先方から交付される請求書等が区分記載請求書等でない場合は、取引の実態に従って法人内で合計額をそれぞれに計算して追記することが必要となりますのでご注意ください。

なお、「軽減税率の対象品目である旨」の記載は、「軽減税率の対象となる取引であることが客観的に明らかであるといえる程度のもの」とする必要があります。
たとえば、軽減税率の対象には「※」などのしるしをつけて、「※」などの記号が軽減税率の対象であることを欄外に記載しておく、といった形でもOKです。

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軽減税率、導入されるとこうなる(2)-起こりうる記帳上の注意点

【質問】
当法人では、毎年、お世話になった方に和菓子をお渡ししています。
この和菓子はお店の方に別料金を支払って特別に包装してもらっていますが、軽減税率が導入された後はどのように処理すればよいでしょうか?

 

軽減税率、導入されるとこうなる(2)-起こりうる記帳上の注意点 

【回答】
和菓子の購入(課税仕入れ)は「飲食料品の譲渡」に該当し軽減税率の対象となりますが、贈答用の包装など、包装材料等に別途対価を定めている場合、その包装材料等の譲渡は、「飲食料品の譲渡」に該当しません。

飲食料品の販売に際し使用される包装材料及び容器(包装材料等)が、その販売に付帯して通常必要なものとして使用されるものであるときは、その包装材料等も含め軽減税率の対象となる「飲食料品の譲渡」に該当します。

ただし、贈答用の包装など、包装材料等に別途対価を定めている場合、その包装材料等の譲渡は、「飲食料品の譲渡」に該当せず、包装材料等の仕入れは、軽減税率の対象となる課税仕入れには該当しません。
ご相談の方の場合、特別な包装のために料金を支払っているため、この包装代については軽減税率の対象外となります。

この取引を記帳する場合、これまでは「贈答用和菓子代」などとして処理をすれば問題ありませんでしたが、軽減税率導入後は「贈答用和菓子代」と「贈答用和菓子包装代」は税率が異なるため、それぞれに記帳することになります。

原則として、和菓子店から受けた請求書(や領収書等)をもとに記帳すればよいのですが、万一、その和菓子店からの請求書等が和菓子と包装代に区分されていなかった場合は、法人側で和菓子代と包装代に区分し、それぞれの合計額を請求書等に追記し、その追記に基づいて記帳することが必要となります。

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軽減税率、導入されるとこうなる(1)-仕入れ・経費の記帳方法

【ポイント】
軽減税率対象品目の仕入れ(経費)がある場合、区分記載請求書等保存方式の下では、原則として、請求書等に基づき、仕入れ(経費)を税率ごとに分けて帳簿等に記帳することが必要となります。
区分記載請求書等でないものの場合、取引の事実に基づいて、軽減税率品目である旨や適用される税率ごとの合計額などを法人側で追記する必要があります。

来年10月からの消費税率の引き上げに伴い導入される軽減税率制度。
実際に導入されると、実務的にどのような影響が出るのでしょうか?
今回はその具体的なお話として、仕入れや経費の帳簿記入についてお話いたします。
特に課税事業者にとっては、正しく記帳された帳簿が消費税の税額計算の際の基本となるため、注意が必要です。

軽減税率導入後の帳簿記帳について、以下のような手順で行なうことが原則となります。

(1)軽減税率対象品目の仕入れ(経費)があるか確認する。
(2)軽減税率対象品目の仕入れ(経費)がある場合、区分記載請求書等保存方式の下では、請求書等に「軽減税率対象品目である旨」や「税率の異なるごとに合計した税込金額」の記載がなければ、その取引の事実に基づき追記することも可能。
(3)請求書等に基づき、仕入れ(経費)を税率ごとに分けて帳簿等に記帳する。

ざっくり言うと、軽減税率対象品目とそれ以外のものを、請求書に基づいて税率ごとに分けて帳簿等に記帳するが、万一、軽減税率対象品目かどうか等の記載がない(区分記載請求書等でない)場合は、内容を確認の上、軽減税率対象品目とそれ以外に分けて法人側で追記(手書き等でメモする)ことが必要になります。

つまり、区分記載請求書等を発行してもらえないと、法人の会計処理の手間が増えることになりますので、多くの法人は区分記載請求書等の発行を求めてくるはずです。
そのため、自法人が免税事業者であったとしても、取引先からの要求によって区分記載請求書の発行が必須となることが多々ありますのでご注意ください。

なお、軽減税率対象品目は、いわゆる仕入れだけでなく、会議費や交際費として飲食料品を購入した場合も対応が必要となりますので、「食品の仕入をしていないから関係ない」ということはありません。

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2019年10月、消費税率は10%に…公益法人等の対応は?

【ポイント】
安倍晋三首相が、2019年10月に消費税率を10%に引き上げ、同時に軽減税率を導入することを表明しました。
規模の大小等を問わず、ほとんどの公益法人、一般法人は、消費税率引き上げと軽減税率導入に伴う事務的な準備が必要となります。

2019年10月、消費税率は10%に…公益法人等の対応は?

安倍晋三首相が、10月15日午後の臨時閣議で、2019年10月に消費税率を予定通り8%から10%へ引き上げることを表明しました。
今回の消費税率の引き上げと同時に、軽減税率制度が導入されます。

軽減税率は
●飲食料品(酒類、外食、ケータリング等を除く「食品表示法に規定する食品等」)
●新聞(週2回以上発行され、定期購読契約に基づくもの)
が対象となります。

公益法人(公益社団法人、公益財団法人)や一般法人(一般社団法人、一般財団法人)への影響は、どのようなものがあるでしょうか?

飲食料品や新聞の売上げ・仕入れなどがある法人(課税事業者)の場合、売上げや仕入れについて、取引ごとの税率により区分経理を行なうことや、区分記載請求書等を発行することが必要になります。

「うちは飲食料品も新聞も取り扱っていないから関係ない」
…ということはありません!

たとえば会議用のお茶菓子を経費として購入した場合、飲食料品の仕入れ(経費)が発生します。この場合、課税事業者であれば、取引ごとの税率により区分経理を行なう等の対応が必要となります。

「うちは消費税が免税になっている小さい法人だから関係ない」
…ということもありません!

法人が課税事業者と取引を行なう場合、区分記載請求書等の交付を求められる場合があるからです。

消費税率の引き上げと軽減税率に伴って、法人等が対処すべき事務は、ほとんどの事業者にとって「関係アリ!」なのです。
消費税率引き上げと軽減税率に伴う準備は、大きく区分経理(帳簿作成)の準備と、区分記載請求書等(請求書等発行)の準備があります。
今から計画的に準備しておくことをオススメいたします!

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一般法人、公益法人が作成すべき計算書類等

【ポイント】

一般法人・公益法人共に作成、据え置くべき会計に関する書類は①計算書類(貸借対照表、損益計算書<正味財産増減計算書>)、②事業報告、③①及び②の附属明細書、④監事の監査報告(監事設置法人のみ)、⑤会計監査人の会計監査報告(会計監査人設置法人のみ)です。
一般法人、公益法人が作成すべき計算書類等

(1)一般法人

法人法により、一般法人が作成、据え置くべき会計に関する書類は次の通りです。これら①から⑤の書類を総称して「計算書類等」といいます。
計算書類等は、定時社員総会(評議員会)の1週間前(理事会設置法人においては2週間前)の日から5年間、主たる事務所に備え置かなければなりません。(従たる事務所がある場合は従たる事務所にも3年間備え置く必要があります)

①貸借対照表、損益計算書(正味財産増減計算書)
②事業報告
③①、②の附属明細書
④監事の監査報告(監事設置法人のみ)
⑤会計監査人の会計監査報告(会計監査人設置法人のみ)

①の書類は一般的に「計算書類」といわれています。
このうち①および③の書類のうち①に関するものは、①の作成日から10年間の保存が義務付けられています。

(2)公益法人

公益法人は、一般法人における計算書類等に加えて、認定法により、以下の書類も作成、備え置きが必要となります。

(イ)毎事業年度開始前までに作成し、供え置くべき書類

⑥事業計画書
⑦収支予算書
⑧資金調達及び設備投資の見込みを記載した書類

なお、これらの書類は当該事業年度の末日まで(通常1年間)、原本を主たる事務所に、写しを従たる事務所に備え置かなければなりません。

(ロ)毎事業年度経過後3ヶ月以内に作成すべき書類

⑨財産目録
⑩役員等名簿
⑪理事、監事及び評議員の報酬等の支給の基準を記載した書類(報酬等支給基準)
⑫キャッシュ・フロー計算書(一定の法人のみ)
⑬運営組織及び事業活動の状況の概要及びこれらに関する数値のうち重要なものを記載した書類

これらの書類は、主たる事務所に原本を5年間、従たる事務所に写しを3年間備え置かなければなりません。

また、①から⑬の書類に定款及び社員名簿を加えたものは、認定法上「財産目録等」と呼ばれ、公益法人は正当な理由がある場合を除き、誰に対しても財産目録等の閲覧の請求に応じなければならない、とされています。

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公益法人の貸借対照表内訳表

【質問】

すべての公益法人は、20年基準運用指針に示されているような、公益目的事業会計、収益事業等会計及び法人会計の3つに区分された貸借対照表内訳表を作成しなければならないのでしょうか?
公益法人の貸借対照表内訳表

【回答】

収益事業等の利益の50%超を公益目的事業財産に繰り入れた場合は、3つに区分された貸借対照表内訳表を作成しなければいけませんが、それ以外の場合は区分表示の義務付けはありません。

公益法人が収益事業等を行う場合、収益事業等から生じた利益の50%は公益目的事業財産に繰り入れなければなりませんが、公益目的事業の財源確保のために必要がある場合には50%を超えて繰り入れることができます。(ちなみに、収益事業の状況等により、50%か50%超かを事業年度ごとに選択することが可能です)
この場合、繰り入れた事業年度末の貸借対照表は区分表示を行なわなければならないとされています。

収益事業等の利益の50%超を公益目的事業に繰り入れる場合には、現金の繰入れのみならず、収益事業等の現金以外の資産の公益目的事業への転用も含めて、法人税法上のみなし寄付金として税制上有利な取り扱いを受けることができます。
そのため、収益事業等の利益の50%超を公益目的事業に繰り入れる場合には、資産がどの事業に属するものか明確にするために、資産の区分経理が求められるのです。

なお、一度、貸借対照表を区分表示した場合、その後繰入を50%とした事業年度も、区分表示を維持する必要があるのでご注意ください。

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為替差損益の会計処理等

【ポイント】
期末時に保有する外貨建債権や外貨等については、期末時のレートを参考に為替差損益を認識します。表示方法は、一般正味財産増減の部に計上されるものか、指定正味財産増減の部に計上されるものなのか等によって、その表示方法が異なります。

為替差損益の会計処理等

昨今、恒常的な低金利水準を背景として、特に債権運用を主な収入源としてきた公益法人においては、新たな財源確保から外貨建債権等を保有するケースが増えています。
外貨建債権を保有する法人のみならず、海外法人等との取引において外貨建ての預金等を保有する法人など、期末時点で外貨等を有する法人にとって、この外貨等をどのように評価するかは悩ましい問題です。

結論から言うと、期末時のレートを参考に、保有する外貨等の為替差損益を認識し、処理することになるのですが、今回はその具体的な会計処理と勘定科目についてご紹介します。

(1)一般正味財産増減の部に計上される為替差損益

時価法を適用した投資有価証券に係る為替差損益

 以下の評価損益等勘定科目に為替差損益を含めて計上します。
 ・基本財産評価損益等
 ・特定資産評価損益等
 ・投資有価証券評価損益等

その他の為替差損益

 経常収益及び経常費用に「為替差益」及び「為替差損」の勘定科目で表示します。

(2)指定正味財産増減の部に計上される為替差損益

 以下の評価損益等の勘定科目に為替差損益を含めて計上します。
 ・基本財産評価損益等
 ・特定資産評価損益等

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寄付金を受けた場合の税制上の取り扱い

【質問】
個人の方から寄付金を受け取った場合の取り扱いを教えてください。

【回答】
公益法人、非営利型法人に該当する一般法人、非営利型法人に該当しない一般法人、それぞれで取り扱いが異なります。

法人が財産の寄付を受けた場合、その法人の形態により税制上の取り扱いが異なります。

 

(1)公益法人(公益社団法人、公益財団法人)の場合
公益法人が寄付を受けた場合、寄付金の収入は法人税の課税対象となりません。
また、公益法人に寄付をした個人についても、所得控除(税額控除対象の公益法人への寄付をした場合には、所得控除か税額控除のいずれかを選択可能)が受けられる優遇措置があります。
すべての公益法人が税額控除対象の公益法人ではありませんので、税額控除を受けたい個人の方はご注意ください。

(2)非営利型法人に該当する一般法人の場合
非営利型法人に該当する一般法人の場合、寄付金の収入は法人税の課税対象とはなりません。
ただし、寄付者に対する税制上の優遇措置はありません。(この点は公益法人への寄付と取り扱いが異なります)

(3)非営利型法人に該当しない一般法人の場合
非営利型法人以外の一般法人の場合、法人のすべての所得が法人税の課税対象となります。したがって、寄付金の収入も法人税課税の対象となります。
寄付者に対する税制上の優遇措置もありません。

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収支相償解消が満たせない場合―概要

【質問】
公益社団法人です。今期行なっている事業について、予想以上の収益が上がって費用を上回ることが確実となり、収支相償を満たせそうにありません。
どうしたらよいでしょうか?

 

収支相償解消が満たせない場合―概要

【回答】
ある事業年度において収入が費用を上回る場合でも、公益目的事業拡充等にあてるための特定費用準備資金として計画的に積み立てること等で中長期的に収支が均衡することが確認されれば、収支相償の基準は満たすものと考えられます。

公益法人の「収支相償」とは、公益法人が利益を内部にためずに、公益目的事業に充てるべき財源を最大限活用して、無償・格安でサービスを提供し、受益者を広げようとするもので、公益法人が受けている税制優遇の重要な基礎となるものです。

もう少しわかりやすく言うと、公益法人はその公益目的事業を行うに当たり、当該公益目的事業の実施に要する適正な費用を償う額を超える収入を得てはいけない、ということです。
そのため、収支相償の計算においては、公益目的事業に係る収入と公益目的事業に要する費用を比較します。
その際、原則として各事業年度において収支が均衡することが求められます。(なお、収益より費用のほうが大きい状態ならば収支相償を満たしている、と考えます)

しかし、ある事業年度において、収入が費用を上回る場合であっても、公益目的事業拡充等にあてるための特定費用準備資金として計画的に積み立てること等で中長期的には収支が均衡することが確認されれば、収支相償の基準は満たすものとされます。

収支相償は二段階で判断されます。
第一段階として、各事業単位で収支を確認し、この段階で収入が費用を上回る場合は、その額はその事業の発展や受益者の範囲の拡充に当てられるべきものであり、当該事業に係る特定費用準備資金として計画的に積み立てることによって収支相償の基準を満たすものとなります。
この剰余金は当該事業で用いるべきものですから、翌事業年度の収支相償の計算では、前事業年度の剰余金の額を当該事業にかかる収入の額に加算しなければなりません。

事業にかかる特定費用準備資金を積み立てた上でも、想定外の事情により余剰金が生まれるような場合、その余剰金が偶発的なものであり、当該事業を通じて短期的に解消される見込みであれば収支相償を満たすものとして弾力的に取り扱うこともありえます。
その際、剰余金が生じた理由、それが短期的に解消する具体的な計画について説明することが必要となります。

第二段階については、別の機会のお話いたします。

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使途に制約のある寄附金、管理費に充当できる?

【質問】
当法人で行なっているある事業(公益目的事業に該当します)のための寄附金を受けました。
この事業を行うためには、事業費だけでなく、相当額の管理費もかかっているのですが、当該寄附金をその管理費に充当しても問題ないでしょうか?

【回答】
寄附の際に事業の指定のみなされた寄附金で、事業費、管理費の割合の特定がない場合は、全て当該事業費に使い、原則として管理費には充当できません。

「この事業のために使ってほしい」という寄付者の指定があった場合には、全てをその事業に充当し、管理費に充当することは原則としてできません。

ただし、寄附額のうち一定割合を管理費に充当することについて寄付者の了承を得ることができれば、当該一定割合の寄附金を管理費に充当することができます。

具体的に言うと、たとえば寄附申込書や寄附金受領書などで、寄附額のうち一定割合を管理費に充当することについて了承していることが立証されているような場合については、その割合を管理費に充当することができます。

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公益法人会計基準とNPO法人会計基準の違いは?

【質問】
一般社団法人を設立しようと思っているものです。
一般社団法人の場合、公益法人会計基準やNPO法人会計基準などによることがオススメといわれましたが、2つの基準の特徴を教えてください。

公益法人会計基準とNPO法人会計基準の違いは?

【回答】

公益法人会計基準では「指定正味財産」と「一般正味財産」に分けることなどの特徴があります。一方、NPO法人会計基準では、サービスの寄付も会計に記載できることや、使途が制約された寄付金等については原則として注記する、などの特徴があります。

公益法人会計基準は過去に4回、公表されており、一番新しいものは一般的に「平成20年基準」といわれています。(以下、平成20年基準を公益法人会計基準としてお話しします。)

公益法人会計基準の特徴は、次の通りです。

(1)貸借対照表の正味財産の部が、使途に拘束性のある「指定正味財産」と拘束性のない「一般正味財産」に分かれる。

(2)貸借対照表の固定資産が「基本財産」「特定資産」「その他固定資産」に分かれる。

(3)正味財産増減計算書を、指定正味財産の増減状況を原因別に表す「指定正味財産増減の部」と、一般正味財産の増減状況を原因別に表す「一般正味財産増減の部」に分ける。

(4)貸借対照表、正味財産増減計算書を「公益目的事業会計」「収益事業等会計」「法人会計」に区分した内訳表を作成する。(ただし、一定の場合には省略可能)

実務的には、「指定正味財産」と「一般正味財産」の区分は、十分な会計スキルのある担当者がいないと難しいところがあります。

一方、NPO法人会計基準は、NPO法人会計基準協議会を中心として民間主導で策定され、内閣府で「現段階においてNPO法人の望ましい会計基準であると考える」と結論付けられたものです。
NPO法人会計基準の特徴は、次の通りです。

(1)経常収益を「受取会費」「受取寄附金」「受取助成金等」「事業収益」「その他収益」の5つに分類する。(「正会員受取会費」「賛助会員受取会費」などを伸したに明細を記載することは任意。)
(2)経常費用は「事業費」と「管理費」に分けた上でそれぞれ「人件費」と「その他経費」に分類。

(3)事業ごとの明細は「財務諸表の注記」で記載できる。事業ごとの明細は、費用だけを記載する「事業費の内訳」を記載する方法と収益も含めて記載する「事業別損益の状況」を記載する方法があり、事業ごとの明細を表示しない方法を含めてどの方法を採用するかは法人の任意。

(4)事務所の無償提供や、ボランティアの提供を受けた場合など、サービスの寄付を受けた場合も会計に記載できる。

(5)使途が制約された寄付金等については、原則として注記方式とする。(重要性が高いものについては、公益法人会計基準と同様に、「一般正味財産増減の部」と「指定正味財産増減の部」に分ける方法を採用する)

また、NPO法人会計基準は、市民にとってわかりやすいこと、社会の信頼にこたえることを重視している会計基準、という点も特徴の一つです。

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一般法人が採用すべき会計基準は?

【質問】
一般社団法人を設立しようと思っているものです。
一般社団法人の場合、どのような会計基準を採用すればよいのでしょうか?

一般法人が採用すべき会計基準は?

【回答】

一般法人法に基づき、登記により新規設立された一般法人は、法人の活動状況や今後の目標などにあわせて、公益法人会計基準やNPO法人会計基準などによることをオススメいたします。
法人法上、一般法人(一般社団法人、一般財団法人)の会計は「一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うものとする」と規定されています。逆に言うと、「この会計基準を採用しなければならない」という決まりはありません。
とはいうものの、その法人にとって「最善の会計基準」はありますので少しご紹介いたします。

まず、公益法人(公益社団法人、公益財団法人)を目指している一般法人の場合、今後の公益認定の申請を見越して、公益法人会計基準を選択するのがベストです。
公益法人会計基準は、公益認定の要件となる「財務の内容が公益法人としてふさわしいものであること」(収支相償・公益目的事業費率・遊休財産規制の、いわゆる「財務三基準」)を満たしているかについての判断をするために適切な会計基準、とされており、公益法人には公益法人会計基準の採用が義務付けられています。

一方、公益認定の申請を予定していない一般法人の場合、「利潤の獲得と分配を目的としない非営利法人」であることを踏まえると、企業会計基準を採用するよりは公益法人会計基準の採用が優先、といわれています。
しかし、公益法人会計基準は、ある程度の規模の法人を想定して策定されているのでは?と思われる点があり、中小規模の法人の細かい会計上のニーズには答えていない部分も見受けられます。
そのため、中小規模の一般法人で、できるだけ簡便な方法でより詳しい情報を掲載することを望む場合は、同じく非営利法人の会計基準であるNPO法人会計基準を採用しても問題ありません。

一般法人の場合、どのような会計基準でも採用できるため、「会計ソフトが豊富な企業会計基準でいいか」と安易に選択する方もいらっしゃいますが、会計基準は法人の活動状況や今後の目標等にあわせて、慎重に選ぶことをオススメいたします。
どのようにすべきか、困っている方はぜひ税理士等の専門家にご相談ください。

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